2020年07月01日

『TPM優秀商品賞 開発賞』受賞
KELGEN SD熱電EH振動センサデバイスKSGD-SV

株式会社KELKは、エネルギーハーベスティング(※1)を電源とした、電池レスで動作するKELGEN SD (ケルジェン エスディー) 熱電EH振動センサデバイスKSGD-SVにて、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が主催する「2020年度TPM優秀商品賞 開発賞」を受賞しました。
TPM優秀商品賞は、メンテナンス機器に関する新技術の開発を奨励し、メンテナンス技術の進歩を促進するために制定された表彰制度で、KSGD-SVはアイデアと先行性・独創性に優れている商品として『TPM優秀商品賞 開発賞』を受賞しました。

なお、KSGD-SVは、本年7月29日よりインテックス大阪で開催される、工場設備の維持管理・保全技術を対象にした国内唯一の専門展示会である「プラントメンテナンスショー」で展示を予定しています。

【受賞理由】

KSGD-SVは日本プラントメンテナンス協会の審査の結果、次のような優れた特徴を有すること等を高く評価頂き『TPM優秀商品賞 開発賞』を受賞しました。

  • ・回転機器の排熱を利用した世界初の熱電エネルギーハーベスティング振動センサデバイスである点。
  • ・無線のIoT デバイスにおける電源の問題は、メンテナンスの観点から大きな問題であり、この点から自己発電は大いに期待される技術である。振動モニタリングの応用のほとんどを占める回転機においては、動力損失による発熱は多かれ少なかれ必ず存在するので、温度差が10℃以上あれば動作する本機の熱電EHは適用範囲が広いと考えられる点。
  • ・電池レス、配線レスを実現でき、電池とその交換作業のコストがなくなる点。
  • 【KELGEN SD(ケルジェン エスディー)】

    IoTの電源問題を解決するエネルギーハーベスティングにより、電池レスで動作するセンサデバイスです。搭載する熱電発電モジュールKELGEN(ケルジェン)による自己発電で温度差(※2)10℃(無風状態)から動作します。振動センサデバイスKSGD-SVの他、熱電対センサデバイスKSGD-ST、アナログ入力デバイスKSGD-SAがあります。センシングしたデータを連続監視することで故障予兆検知や日常点検の自動化に利活用できます。

    【KSGD-SV】
    KELGEN SD 熱電EH振動センサデバイスKSGD-SV

    回転機器に置くだけで、排熱によるKELGEN (ケルジェン)の自己発電で動作し、振動と温度をセンシングし、データを無線送信します。FFT(※3)解析を搭載するKSGD-SV2は振動加速度に加え、速度RMS、オーバオール値などを送信します。

    写真:KELGEN SD 熱電EH振動センサデバイスKSGD-SV

    KELGEN SD 熱電EH振動センサデバイスKSGD-SV

    【株式会社KELK】

    株式会社KELK(以下、KELK)は,1957年からコマツが始めた熱電半導体の研究開発を前身とし、1966年に熱電素子応用製品メーカとして設立された。熱電半導体を温度調節として使うサーモ・モジュール(ペルチェモジュール)に関して、素材からモジュール、熱交換器,応用機器までの開発・製造・販売を一貫して手掛けており、半導体製造装置で使用される温度調節装置および光通信用レーザ光源の精密温度調節用ペルチェモジュールにおいては世界トップメーカーとして市場をリードしている。また、熱電半導体により熱を電気に変換する熱電発電においては要素技術の開発から応用製品の開発まで手掛けるリーディングカンパニーであり、ボタン電池レベルのmW出力から商用電力レベルのkW出力まで幅広い出力範囲の熱電発電製品を開発している。

    ※1 エネルギーハーベスティング:Energy Harvesting、環境発電。環境中の微小なエネルギー(熱,光,振動,電波,等)から電力を得る技術。

    ※2 温度差:KELGEN SD本体部の受熱側の表面温度と周囲温度との温度差。

    ※3 FFT:Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換。測定した振動を解析して周波数成分に変換するアルゴリズム。

    注: TPMの商標、ロゴマークは、日本およびその他の国における日本プラントメンテナンス協会の登録商標または商標です。